人類はこれまで、見たこともない都市や兵器、未知の空間を夢見て、巨大なプロジェクトに挑み続けてきました。しかし「壮大すぎる設計」「思わぬ環境リスク」「細かな判断ミス」など、どんなに最先端の知恵と技術を注ぎ込んでも、計画通りにいかないことがあるのです。未来都市から伝説の塔、地下迷宮や宇宙へ消えた探査機まで——世界には“信じがたい失敗の実話”が潜んでいます。ちょっとぞっとするけど、覗いてみたくなるランキング。人類の野心が生んだ「大いなる失敗」の記録、その扉をそっと開いてみませんか?
第10位:サウジアラビアの未来都市『NEOM』計画
砂漠の真ん中に突如として現れるはずだった、未来都市『NEOM』。サウジアラビアが国威をかけて推進していたこの超巨大プロジェクトは、世界中の話題をかっさらいました。全長170kmもの直線型高層都市「The Line」を始め、AI管理社会、100%再生可能エネルギー、空飛ぶタクシーにロボット執事…と、まるでSF映画そのものの設計図。テクノロジーとデザインの粋を集めた「別世界」を、砂漠の上に本当に作ろうとしたのです。
けれど、壮大すぎるビジョンは現実の壁にぶつかります。まず、天文学的な費用が膨らみ、予算は次々と修正。建設は想定以上に遅れ、いつまで経っても計画のごく一部しか形になりませんでした。技術的な困難だけでなく、沙漠という過酷な環境、政治的な不安定さ、石油依存経済の揺らぎも拍車をかけ、プロジェクトは迷走。国際社会の期待が逆に圧力となり、いつしか「未完の巨大都市」というレッテルが貼られました。
現地には、途切れ途切れの基礎工事や、骨組みだけ露出したままの未完成構造物が目立っています。夢だった未来都市は、都市計画の“終着点”どころか、世界の好奇と懐疑が交差する生きた実験場のような存在になってしまったのです。「現実」はときに、どんな想像力をも上回ります。NEOM計画は、その大胆さと挫折のスケールで、21世紀最大級の“見たくなる失敗”と言えるでしょう。
