第3位:イングランドの掘削穴
イギリスののどかな田園風景――その地下深くに、知る人ぞ知る“人間の野望”が試された深淵が存在しています。英国の最深掘削穴は、「自然」ではなく「人間の手」で生み出された穴。その誕生は、地球の奥深くに眠る未知を明かそうとする、科学者たちの熱い挑戦がきっかけでした。自然の大穴とは違い、この英国最深の掘削穴は、地質学の研究を目的として慎重に計画され、特殊な機材で少しずつ丁寧に掘り進められていきました。目的は、地殻の構造や地球誕生の歴史を解き明かすためのサンプル採取や、地下深部でのさまざまな現象の観察。それは「掘り進めてみなければ分からない」人類最大級のフィールドワークだったのです。
イギリスの掘削穴は、例えばロシアのコラ半島で掘られた超深度掘削坑(約12,262メートル)など世界屈指の深さには及ばないものの、同国の地層調査史上最大規模の深さとされています。近隣の景色からは想像できないスケールの穴が、地表のすぐそこに広がっているという、そのギャップに思わずドキリとします。
掘削の歴史をたどると、イギリス以外にも超深度掘削は冷戦期や地殻探査ブームとともに各地で行われており、技術面・安全面での限界との戦いが続いてきました。現在、この英国最深の掘削穴は、研究機材の設置や地中調査などに利用されています。科学の冒険と情熱が刻まれた“イギリス地下のディープスポット”。いつも通り過ぎる地面の、はるか下に広がる人知未踏の世界を、つい覗き見したくなる場所です。
