第9位:レイニスフィヤラビーチ

アイスランド南部の大西洋岸にひっそりと広がるレイニスフィヤラビーチは、その圧倒的な風景美で知られています。真っ黒な砂浜と、海から突き出すゴツゴツとした玄武岩柱。その景観はまるで異世界のようで、フォトジェニックなスポットとして世界中の観光客を惹きつけてやみません。しかし、この美しさの裏には驚くほど危険な一面が潜んでいます。

このビーチが“死神の波”とも呼ばれる理由。それは突如襲い来る「スニックウェーブ」と呼ばれる予測のつかない大波の存在です。一見穏やかそうな海でも、数分に一度、特に大きな波が静かに接近してきて、波打ち際に近づきすぎた人を足元から一気に沖へとさらうことがあります。最近でも、観光客がこの波に巻き込まれ命を落とす事故が発生しています。油断したその一瞬が、命取りになるのです。
アイスランド当局や地元ガイドは繰り返し注意喚起を行っており、レイニスフィヤラビーチには危険を示す標識やサインが設置されています。警告表示には海に近づかないようにとの案内や、危険度を示す信号が用いられていますが、それでも「せっかくだから」と気軽に近付いてしまう旅行者も少なくありません。映える景色と、思わず足を踏み入れてしまいたくなる誘惑。その裏に、自然が見せる厳しさが潜んでいる──そんな世界のリアルを、このビーチは静かに語っているのです。
